令和7年度 事例Ⅲ:C社の生産・オペレーション分析まとめ
1.事業概要・会社概要
- C社は1947年創業、資本金5千万円、従業員40名、年商約8億円の紙パイプメーカー
- 経営理念・社長の思い(与件文から抽象化)
再生紙を活用した紙パイプ製造を通じて循環型社会に貢献することを重視している。
また、人件費・資材・エネルギー費の高騰を見据え、
「高付加価値化とコストダウンによって持続的に成長できる企業をつくる」ことを経営の方向性としている。 - 主力製品:製紙用・産業用・建築用の紙パイプ
- 販売先:包装資材メーカー数社(製紙メーカーX社へも間接販売)
- 原料紙はX社から安定調達できる
- 産業用:フィルム・テープ・農業用ポリなどの巻き取り用途
- 建築用:コンクリート型枠材として評価(抜き取りやすさが強み)
- 再生紙を主原料とし、環境配慮型の製品として社会的意義が高い
2.組織
- 製造部門は工場長の下に5つの製造ラインがある
- 各製造ラインにはライン長が配置され、その下に作業者が所属する
- 従業員40名規模で、製造・営業・管理などの部門が存在する
3.強み(Strengths)
- X社からの安定した原料紙調達
- 製紙用・産業用・建築用と幅広い用途に対応できる製品ライン
- 建築用紙パイプは「抜き取りやすさ」で顧客評価が高い
- 再生紙を活用し、循環型社会に貢献する製品特性
- 長年の製造経験に基づく技術蓄積
4.弱み(Weaknesses)
- 製品アイテム増加に対し、人員不足で深夜・早朝残業が増加
- 仕様変更・特急対応が紙メモで伝達され、工程混乱が発生
- 接着剤塗布・巻き取り方法の違いによる品質バラツキが増加
- クレーム対応は再製造のみで、原因追及・再発防止が未実施
- 原料紙の在庫管理が不十分で、原料待ちによる作業停止が発生
- 技術承継が進まず、立ち上がりロスが発生
5.機会(Opportunities)
- プラスチックから紙への素材転換の流れ
- 食品用・医療用など高付加価値分野の需要増加
- サステナビリティ意識の高まりによる紙加工品需要の拡大
- 再生紙を活用した循環型製品としての社会的評価向上
6.脅威(Threats)
- 紙需要の縮小傾向(ペーパーレス化)
- 運送業界の2024年問題による物流制約
- エネルギー費・資材高騰によるコスト増
- 品質バラツキによる顧客クレーム増加
7.課題
- 工程管理の改善
週次計画・仕様変更の伝達方法を改善し、計画変更を正確に共有できる体制が必要。 - 品質の安定化
接着剤塗布・巻き取り方法の違いによる品質バラツキを抑制し、クレーム削減を図る。 - 技術承継と作業標準化
ベテラン依存から脱却し、立ち上がりロスを削減するための標準化・教育が必要。 - 原料紙の在庫管理改善
原料不足による作業停止を防ぐため、在庫管理の仕組みを整備する。 - 生産性向上と残業削減
人員不足の中で深夜・早朝残業が増加しており、段取り改善や工程短縮が求められる。 - 新事業(食品・医療用)に向けた品質基準対応
高い品質要求に対応するため、工程能力・品質管理体制の強化が必要。
8.受注〜製造プロセス
(1)受注
- 顧客が月末に翌月の発注予定を提示する
- 毎週末に翌週の確定発注が顧客から届く
(2)製造計画
- 工場長が確定発注に基づき週次製造計画を作成する
- 製造計画をホワイトボードに掲示し、各ラインへ指示する
- 仕様変更・特急受注は紙メモで現場に伝達される
- 製造リードタイムは2日間である
(3)原材料仕入
- 原料紙は作業者が不足を確認した時点で発注する
- 原料紙が不足した場合は作業が停止する
(4)製造(与件文の工程1〜8)
- 原料紙を帯状にカット
- 原料紙に接着剤塗布
- 原料紙を成型機にセット
- 成型機で巻き取りながらパイプ状に成型
- 乾燥
- 仕様の長さに切断加工
- 検品・梱包
- 出荷

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